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ここから先は、純情ロマンチカという予備知識が必要な設定となっております。
知らない方は読んでも意味ぷぅなんで注意して下さいねw

なお、内容はオリジナルキャラクターの目線からの
オリジナルストーリーとなっております。
非エロなので未成年の方も安心して読んでね(死

文才は皆無なので、なんの話だか全然わからないよ?という状況に
陥っても悪しからず。





『君がおしえてくれたから』

第一章 もう何も失いたくない



忘れることができるのですか―――。
 
 
「じゃあ、今日の講義はここまで。レポート提出は2週間後、出さなかったら試験資格剝脱と思え。」今日も颯爽と上條助教授は教壇から去って行った。
「ううぅ~~どうしよう・・・最近の授業さっぱりわからない・・・。」と頭を抱えている。
「へーき、へーき、みんなわかんねぇつーの。」彼をよそに友達だちはさっさと教室から出て行ってしまった。気がつけば、3限の終わったこの時間、教室に残ったのは自分と目の前の彼だけだった。
「俺でよければ、勉強おしえよっか?」思い切って話しかけてみた。文学に興味があるなら別に手伝ってもいいと思っていた。
「え?ホントに?うっわ、すげー助かる!」晴れた笑みに、嫌みは全く感じられなかった。
「上條先生、4限に授業あるからそれまで勉強する?」
「うん、なに、上條先生のとこ行くの?」
「え、毎週行ってるけど?」
「へぇー・・・、俺は怖くていけないけど。」
「文学が好きだから。」それから談話室に行って、彼に授業の内容を教えてあげた。うーん・・・とうめき声をあげつつ、わかった!と時々声をあげて喜ぶ。なんだか可愛いやつだった。
 
 
「上條先生、本返しにきました。」
「ああ、そこに置いておいてくれ。で、どうだった?」
「面白かったです。特に第二章あたりが。とっても繊細な描写で、言い回しがなんともいえないですね。」
「そうだな、言葉も奇麗だしな。」論文を書いている途中みたいだったが、ふーん・・・とそっちのけで本のことを考えている。
「上條先生は、小説とか書かないんですか?」
「俺は読む方専門だからな。お前も書けたら持って来いよ。」お前も・・・?誰か持ってる人がいるのかな。
「はい、良いのが書けたら持ってきます。じゃあ、失礼します。」上條先生は、実はやさしい。授業ではあんな風だけど、文学に一人倍愛情を持っている。4年になったら、上條先生のゼミに入りたいと思っている。
 それからしばらくたって、無事レポート提出も終わり、勉強を教えた彼とは毎週、談話室にいた。
「そういえば、なんて呼べばいい?」
「俺、高橋美咲だから、美咲でいいよ。」
「わかった、俺は今井(まどか)。円でいいよ。」
「なんか、二人とも女みたいな名前だよね、ははは。」大学へ通いだしてからは、あまり人と付き合うこともなくいつも一人でいた。それが楽だったのかもしれない、久々にできた心の許せる友達だった。
 
「ふーん・・・家事とかしてるんだ。男なのにすごいね。」
「いや、円だって一人暮らしなんだから、そうだろ?」
「あはは、そうだね、俺もそうだった。」二人とも授業が後にないので、1週に1度、上條先生の授業のあとは一緒に帰っていた。青信号を渡っていると、向こうから信号無視しようとするスピードオーバーのバイクが近付いていた。
「危ない、美咲ッ!」
キュ―――――・・・ドンッと鈍い衝突音の後、目の前には空が広がっていた。咄嗟に、美咲だけを向こうへ突き飛ばし、自分の足は持っていかれてしまったらしい。足の感覚はなく、猛烈な痛みだけが体に残る。意識が朦朧とし、それからの記憶はない。
 
 
どこかでうっすらと自分を呼んでいる声がする。いっそこのまま死んでしまえたらどんなに楽だっただろう。
「―――まどか。気がついた・・・?」
「・・・ぅ・・うん。」
「良かった・・・!」ぎゅっと固く両手を握りしめ、目を潤ませていた。ああ、自分にもこんなに心配してくれる人がまだいたのかと思う。
「美咲は・・・けがしてない?」
「うん、俺は円のおかげでかすり傷ひとつないよ。それより、円が・・・。」
「それなら良かった。」もう大切な人は失いたくない。頭の奥が重く鈍くズキリと痛む。
「ごめん、俺のせいで・・・。俺が・・・」
「美咲のせいじゃないよ、別に俺が鈍くさかっただけだし。美咲が傷つくよりマシだよ。それより、そこにいる人は?」
「ああ、俺の付添。居候しているうちの大家さん。」後姿しか見えないが、結構な長身だ。
「・・・もしかして、ずっとここに居てくれたの?」もう窓から見える景色は暗い。
「当たり前じゃん。」
「付添の人に悪いし、もう帰りないよ。今日は、ずっと居てくれてありがとう。」
「ううん、じゃあ、明日もまた来るから。ゆっくり休んでね。」
 
「おい、いくらお前のことを救った恩人だから感謝はしているが、あれはお前のことを完璧に狙っているぞ。気をつけろ。見舞いに行くなら、俺も行く。」
「円をホモにすんな!失礼だろ!!ふざけんな!」
「・・・でもなんか違和感を感じるな・・・。」
「なんか言った?」赤いスポーツカーは闇夜を駆け抜けていった。
 
 
「おいしくない・・・。」怪我は、右足骨折、数か所の打撲、神経が数本切れていて、全治3か月。そのうち約2か月ほど入院を強いられることになった。思うように体も動かず、病院の飯はまずい。なによりもその間、大学の授業に出ることができない。
「まどか、見舞いにきたよ。けがの具合どう?」
「全治3か月で、骨折とかいろいろ。2か月は入院だってさ。」
「2か月も!?ど、どうしよう・・・。」
「お前が何で動揺するんだよ、それより頼みがあるんだけど。」
「なに?俺にできることならなんでも言って!」
「俺の家にノートパソコンがあるんだけど、それを持ってきてほしいんだけど。」
「うん、いつまでに持ってくればいい?あ、あと明日は俺来れないんだけど・・・」
「いいよ、でも3日後ぐらいまでには欲しいんだけど。」
「わかった。場所は帰り通るからわかるし。」
「かぎ渡しておくから、頼んだ。」大学にも連絡しておかないと・・・期末テスト受けられないかもな。上條先生の授業も出たいし、宮城教授の授業もある・・・。
 
美咲が帰ったあと、大学に連絡をいれた。幸い、携帯は壊れていなかったらしい。
「もしもし・・・今井ですが、上條先生いらっしゃいますか。」
「あ、俺だが、どうした?」
「いや、実は交通事故にあってしまいまして・・・2か月ほど入院するハメになってしまいました。」
「え・・・大丈夫か!?それは大変だな・・・これから期末だっていうのに。で、どこの病院なんだ?」
「近くの大学附属病院です。」
「近いうちに見舞いに行くよ。」
「あ、そんな先生忙しいのに、いいですよ。すごく嬉しいですけど、気持ちだけで十分です。」
「今時珍しく、お前は俺の授業熱心に聞いてくれてるしな。顔を出すくらいは時間はある。それに――・・・」
「それに、なんですか?」
「あ、いやっ、なんでもないんだ。気にしないでくれ。」いやに焦った様子だったが、自分を気遣ってくれるのは嬉しい。夕焼けにベットは赤く染まっていた。
 
 
それから1週間が経った。美咲が持ってきてくれたノートパソコンや、授業のノートなどで時間はつぶせていたが、本もないし、正直手持無沙汰になりつつあった。
「こんにちわー、お見舞いに来ましたよ先生。」
「相川さん!だから、先生って呼ばないでくださいって言ってるでしょ・・・。あ、もう原稿できたんで渡しておきますね。」手土産のお菓子とブーケのようなかわいらしい花束を持ってきてくれた。
「もうできたの!?助かるわー。今朝、宇佐美先生の原稿を印刷所に落としきたんだけど、今回も締切ぶっちぎり、デッド入稿もいいとこよ!ホント助かるわ。」
「でも、宇佐美先生の作品は素晴らしいですから。」
コンコンとノックの後、ガラリと扉が開いた。なぜか入院した日から個室で、そのことについては美咲から心配しなくていいといわれていた。回診の時間でもないんだけど、誰だろう?
「・・・!相川がなんでここにいるんだ?」そこには、あふれるほど詰め込まれた花束を持った超有名人が立っていた。
「宇佐美先生!先生こそ、なんでここに?」
「その子が美咲をかばってくれた子だ。今日はお見舞いにきた。」
「美咲の同居人・・・?」確かにあの日の後ろ姿は、目の前のこの人そのものだった。
「君にお礼と話がしたくてね。相川も疲れているだろうし、ちょっと席をはずしてくれないか。」話・・・?俺に?
「だれのせいで疲れてると思ってるんですか・・・!」
「・・・・・・。」宇佐美先生は微塵も動じない。
「そうですね、また来ます。じゃあ、お大事にして下さい。あ、原稿はそんな無理してあげなくていいですからね!」
「はい、ありがとうございます。」相川さんはフラつく足取りで病室から去って行った。点滴の一本でも打ってもらったほうがいいんじゃないかな・・・。
「君、作家なの?」
「・・・ええ、一応。去年デビューしたばかりの端くれですけど。」
「ふーん、新人で原稿を早くあげてくれる良い作家がいると、相川が言っていたのは君のことか。なに、BL小説?」一瞬ギクリとした。なんでそんなことまで知っている?相川さんが担当している作家さんは他にもいるはずだが・・・。
「・・・一般小説も出しています。」
「知っているよ。両方出していることもね。」だったら俺も聞きたいことがある。さっきからずっと気になっていた。
「宇佐美先生、秋川弥生ってペンネームでBL小説だしてるんじゃないんですか。」目を一瞬大きく見開いたが、特に動じることもなく、
「そうだよ。」やっぱり・・・こんなにうまく小説と現実がリンクするとは。
「男の作家さんって珍しいですね。」
「それはお互い様だろう。・・・!」目線を外し、棚の上の白い布を見て何かに気づいたような顔をした。
「なるほどね。君、なんでそんな恰好してるの?」
「なんで、そんなに俺に執着するんですか。」
「美咲が好きだから―――。」
扉がノックもなしにガラリと勢いよく開いた。
「美咲!」
「・・・おのれ、なにカミングアイトしてやがるんだ・・・!ここになにしにきた!!」赤いスポーツカーがあったのを見て不安になって駐車場から走ってきたらしい。
「見舞いだ。」
「うそつけ!なんでそんなこと話す必要があるんだよ!!」
「平気だ、彼女は小説のことまで知っている。」
「・・・は?彼女?円は男だぞ?・・・小説!?」バレていた、何がきっかけだったのか、いつから気づいていたのか。
「なんか引っかかっていたが、さっき俺もやっとわかった。彼女が作家だったのは予想外だったが。」といって、棚の上をさす。
「包帯じゃなくて、アレはさらしだ。あとそこに金色の長い髪が落ちてる。」
「・・・どういうこと、円?」ここまできたら、すべてを明かすしかなかった。
「黙っててごめん、だますつもりはなかった。」と黒髪のウィッグをひきはがすと、金色のウェーブした柔らかな長い髪が落ちてきた。手早くコンタクトを外すと、瞳の奥から青色をみせた。
「今井・フェリシカ・円。イギリス生まれ、もちろん女。母が日本人でイギリスでイギリス人の父と知り合って私を生んだ。だけど、母は新しい男とともに行方不明。私は生れてまもなく父とともに日本に来たわ。」
「フェリシカ・・・?女・・・?イギリス??」
「ちなみに、父はゲイで、私が小さい頃からママって呼ばされてる男の愛人が家にいるわ。私の描く小説は父のことよ。ボーイズラブなんて理解できなかった。でもこの年になってやっとパパの気持ちがわかるようになったから。」
「・・・ひっ。」美咲の顔からはみるみる血の気が引いていく。
「だから、秋川弥生先生の小説も知ってたし、さっき同居人って聞いた時にはおどろいたわ。まさかねってね、ふふふ。」
「バ・・・バレてるし。」
「ということで、私は美咲君には手を出すつもりは最初からなかったし、(男の恰好だったし)お二人のこと応援してますから。」
「ひいいいっ。」
「お前、良い友達を持ったな。」
「いやっ、でもなんで男の恰好なわけ?」
「それは今度ちゃんと話すよ。それより、美咲がホモだったとは知らなかった。」
「えええええ、あっ、いや、その・・・えっとー・・・。」
「ま、俺(宇佐美秋彦)限定だけどな。」
「ふ、ふざけんな!いいかげんにしろっ!」
「いいじゃない、素直になれば。私は別に気にしないから。」
「そーゆー問題じゃない!」笑い声が病院の一室に響いていた。



続く。(ぇ、つづくの!?



あとがき
私は大まじめですが、何か?(笑
なぜ、続くなのかというと、男装している理由まで行きつけなかったのと
過去の生い立ち(父親の話は別として)が全然語れてない!
さらに、エゴ・テロの絡みが全然ないではないか!!

どれぐらい物語がわかっていただけるか大変不安なので
よろしかったら、お暇なときに感想メールでも下さい(笑
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